インド占星術とは

インド占星術は、サンスクリット語で「ジョーティッシュ」と言います。和訳すると「光の知識」となります。インド哲学のヴェーダ聖典の一部です。

インド占星術では

「輪廻転生」 = 人は死んでもまた同じ魂で生まれ変わる
「業(カルマ)」= 前世の宿題を今世でも引き継いでいく

という考えがベースにあります。

人は1つの魂で数えきれないほどの転生を繰り返し、今世では前世のカルマ(前世で果たせなかった課題)を受け継いできたものとされるのです。

前世での課題を果たし、欲や執着を捨て、瞑想や奉仕(※)を行う事で、自己に対する執着を捨てる事ができ、やがて神と同一化し解脱する、すなわち(輪廻転生のループを終わらせる)事ができると考えられています。

(※)奉仕=人の為になる行動、自分の損得を考えない行動

ジョーティッシュの鑑定を受ける事で、過去の経験が必然(カルマ)である事を知り、現状を受け止め、未来を見通す事で全ての出来頃を受け入れる準備をし、今何をすべきかに集中する事ができます。そのため、未来を見通す「光」の「知識」と呼ばれています。


■インド占星術(ジョーティッシュ)の効用

(1) ありのままの自分を受け入れる手助けとなります

インド占星術では、前世で積み残したカルマを解消する為に、魂が自分で今世の運命を決めると言われています。これは自分の性格や特徴などについても同様です。

チャートを読み解く事で、自身の性格や弱点を運命として受け入れ、長所に目を向ける事ができます。自身の長所を活かし奉仕活動を行う事が最高の運命改善法と考えます。

インド占星術を通して、「今自分は何をすべきなのか」という道標を立てる事ができます。


(2) 人生を前向きに受け止められる様になります

人の運命は、70%が決められており、30%は自分の努力によって変えられると言われています。つまり運命が決まっているので、

「過去」クヨクヨ振り返る事なく、必然だったと受け止められる

「現在」未来がある程度見通せてるので今すべき事に集中できる

「未来」良い未来であれば希望になり、悪い未来でも終わりがわかるので悲観しすぎない

というメリットがあります。

人生で起こる困難や試練は、必ず意味のある事です。これらを悲観せず受け入れ経験する事で、前世から積み上げられたカルマを解消していく事ができます。そして来世のカルマが減り、より良い人生を歩む事ができると言われています。


■西洋占星術と何が違うの?

まず西洋占星術と異なるのは、「輪廻転生」や「カルマ」などの思想が背景となっているか否かです。西洋占星術では、基本的にリーディングの際にポジティブな解釈がなされます。西洋占星術ではハウスの吉凶などはあまりはっきりしません。

しかしインド占星術では、3,6,11室は「ウパチャヤハウス」といい欲に振り回されるハウスであったり、6,8,12室は「ドゥシュタナハウス」といい、困難が降りかかる凶のハウスとされています。

人が生きて行く上で、全てが順風満帆ということはあり得ません。どの人生にも、惑星の運行による運気の変動があり、それにより良い事も悪い事も起こり得ます。

インド占星術の思想を知った上で悪い出来事が起きると「どうして自分がこんな目に合うのか」という悲観的な形ではなく、「これは必要な経験だった」というポジティブな受け止め方ができる様になります。これは、吉凶がはっきりでるからこそできる鑑定方法です。ここがまず大きな違いです。

その他、星座の境界線の解釈の違い、機能的吉凶という概念の有無、分割図の有無、ダシャーの有無など大きく異なります。どちらの占星術が良いか悪いかという議論は必要なく、純粋に「どちらの占星術の思想に惹かれたか」という観点で鑑定する先をお決めになる事をお勧めいたします。